CASE STUDY 56
PLACE

愛知

OVERVIEW

実例

1
重厚感溢れる「黒」メタル

黒という色は実に不思議です。地上にある黒は「光を最も吸収する」色として存在します。何万色という色が存在しますが、この中で補色関係が成立する色はたった2つ。白そして黒です。したがってこの2つのカラーは、あらゆる場面で重宝されています。色を映させるのであれば白を、落ち着かせたいのなら黒をあしらうのが王道です。 日本の歴史的に、黒を好みさまざまな意匠の中に持ち込んだ最も著名な人物の一人が千利休でした。茶碗から茶の道具にいたるまで、あらゆる部分に黒の足跡が見てとれます。同時に成し遂げた新しい茶道に、気持ちを落ち着かせ、緊張感に満ちた空間やしつらえが多いのも、決して偶然ではないのでしょう。

「黒」を追及する

私たちアイチ金属にとっても「黒」は重要な色です。金属の世界では「黒」のニーズは極めて高いのです。同時に決して全面的に「黒」ではなくても、金属の表面に僅かに入り込む黒色によって、存在感が劇的に変わるのです。だからこそ、私たちは常に真鍮・銅や鉄の「メタルの黒」を追及しています。 「メタルの黒」は職人の手で一つ一つ加飾をしてメタルの表面を酸化させたメタルです。黒く酸化させて経年変化したメタルは硫化燻し・黒染め・黒皮と呼ばれ、社会的にも広く普及しています。しかし、安定し、かつ品質の良いものを探すのが難しい。我々は、弊社独自のオリジナルの加飾剤と職人がこれまでに培った手技と加飾に対する研究開発によって、品質の高い「黒」を実現しています。

ディテールのある「黒」

こちらは、年月が経って経年変化した真鍮の一枚板に「黒」を表現したタイプです。同時に、真鍮特有のゴールド感も演出しています。こうした加飾がもたらす重厚感、高級感が演出する感覚は唯一無二のものです。 特に我々のところに来るオーダーは玄関扉や、商業施設の扉であることが多いかもしれません。お客様をお迎えするだけではなく、自らがその扉を開ける時に得られる圧倒的な充足感もまた、お客様から魅力であると評価をいただいています。ここにも「黒」の魅力が生きています。「黒」の可能性を開くことは、私たちにとって新しいメタルの扉を開くことでもあるのです。

21枚の真鍮板(※1)、真鍮角型レバーハンドル(※2)の職人による研磨と弊社独自の加飾剤で加飾を行い、経年変化した真鍮を演出。