岐阜県岐阜市
扉&手すり&階段
当案件は、岐阜のリサイクル古紙事業を手がける企業の、オフィスリノベーションプロジェクトの一環として弊社の部材が採用されました。コンクリートの空間の中には、基本的にモノトーンのアイテムが配置されており、意匠としても空間の強度を演出する印象づくりのためにも、黒いスチールのフレームとして、会議室の窓面、手すり、階段を納品しました。 企業が使用する場合は、使用者の数が一般家庭とは大きくことなります。使用感もよりタフさが求められます。同時に、そこで働く人たちのモチベーションが高まるようなデザイン性を必要とするなどの感覚も求めらます。デザインの意図を把握する作業も特徴的で、弊社にとっても楽しみながら取り組めた案件となりました。
塗装と溶接
企業内は土足での行き来になることからも、塗装面の耐久性は重要です。塗装が剥がれず空間の印象を損なわない仕上げになるようにブラスト処理することで強度を実現しています。 この階段は溶接面も独特です。シンプルですが、溶接面が見えない形で段差を仕上げているため一枚の鉄を折り曲げて作ったような仕上げにこだわりました。一方で、手すりと階段の設置面にはほんのわずかな溶接面を見えるようにしています。これは、空間の天井面がコンクリートの打ちっぱなし状態をあえて意匠としていたことから、階段にもわずかな荒さを意図的に見せることで、空間内でより馴染む存在感を演出しています。
空間の意識を隔てる。
スチールがもつ存在感は、ひとつの大きな空間の中でもしっかりと意識を切り取ることができます。ミーティングスペースと、フリーアクセスのデスクがあるこの空間においても、その狙いはしっかりと具現化できています。部材の太さを意図的に変化させることで、フレームと目隠し、そして衣装との役割をうまく形にしています。これはデザインの妙ですね。 我々としては、階段などに用いた溶射と塗装の技術とは異なり、より品のいい表情を演出できるように、塗装面はさらに平滑な仕上がりとしています。ドアの取手にはステンレスを用いることで、手で触る部分の耐久性と、黒に映える意匠を保っています。全体的には、ある程度の緊張感を作り出すことに、部材としても貢献している印象です。