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2025年春、大阪関西・万博の舞台となっている夢洲(ゆめしま)に、同時開催中の「大阪関西国際芸術祭」の出品アーティスト・ハシグチリンタロウさんによる全長22m・高さ3.6mの大型インスタレーション《anima harmonizer》が誕生しました。 今回の作品制作にあたり、Gallery NAO MASAKIの企画協力にてプロジェクトが始動しました。 私たちは、その表現と構造をそっと支える立場で、このプロジェクトに関わらせて頂きました。

金属を「表現のためのキャンバス」として
この作品は、建築の外壁をキャンバスと見立てた、横幅22メートルを超えるスケール。 構造の安定性を保ちながら、アートの躍動感や繊細さを損なわないよう、アルミ樹脂複合板とフレームの設計・製作を担当いたしました。 寸法精度や現場での調整も含め、設計者・施工者・アーティストの皆さまと連携しながら一歩ずつ形にしていきました。
MetalSurfaceで“素材の表情”を整える
アートと素材の相性を大切に考えた末、表面仕上げにはMetalSurfaceによる亜鉛の鋳肌を採用いただきました。 白い文字や絵が映えるようシルバー色と温かみのある風合いを持たせました。

アートと金属のあいだで
アーティストの描く線や色が、金属の肌に反応し、にじみ、広がっていく。 その姿を間近で拝見するたびに、素材と表現の間に生まれる“対話”のようなものを感じました。 私たちの技術が、その対話の一助となれたのなら、これ以上に嬉しいことはありません。
最後に
アートは、ひとりの表現者によって生まれるものですが、それを支える過程には多くの人の手と技術が重なります。今回のプロジェクトでは、アーティストの想いやアイデアを、素材や構造という“かたち”にするお手伝いをさせていただきました。 私たちの仕事は、決して表には出ませんが、 アーティストの表現を支える“縁の下の力持ち”として、 作品が少しでも永く、より良いかたちで、人々の記憶に残っていくように。 これからも誠実に、素材と向き合い続けてまいります。

ハシグチリンタロウ
《anima harmonizer》
主催|大阪関西国際芸術祭実行委員会
協賛|株式会社アイチ金属
施工|株式会社アイチ金属、株式会社杉岡工務店
協力企画|Gallery NAO MASAKI